2007年07月27日

夏休みの工作課題(シンプルフルートの製作)

子供たちの夏休みが始まって、頭を悩ませているお母さんたちもいることでしょう。

そんながんばっているお母さんを応援します(笑)

次のファイルは、夏休み工作向け、フルートのテンプレートです。
A4の紙に印刷して使います。


シンプルフルートテンプレート(PDF)


シンプルフルートの製作工程

材料:総額200円程度
 塩ビ管 1本 VP16  約1m (27.9cmに切って使います)
 コルク栓 1個 上の塩ビ管に合う物(私はホームセンターで現物合わせで買いました。ゴム栓でも効果は同じです)

工具:
 ドリルまたは錐(ハンドドリルでも、電動ドリルでも可 電動なら10mmの加工が出来るものがベター)
 鑢
 糸鋸(もしくはパイプカッター)
 接着剤
 カッターナイフ等


作り方

1 塩ビ管を27.9cmに切ります。

2 テンプレートを印刷します。(少し大きめなので、縮小されないように印刷の設定をよくごらんください)

3 印刷したフルートの図を1本分切り取り、紙が伸びないように注意して、両面テープか接着剤で貼り付けます。
塩ビ管を切るのは、100均やホームセンターで売っているパイプカッターが便利ですが、糸鋸でも切れます。

4 黒丸のセンターに小さな穴をドリルまたは錐で開けます。

5 穴の直径を10mm程度に広げます。(穴の大きさで音程は変わるので、気になる人は、先に栓をしてから、外側の穴から大きさを調整してください)広げるのはカッターでもドリルでも鑢でもいいですが、丁寧にきれいに広げましょう。

6 吹き口側(一つだけ離れた穴の側)にコルク栓をします。

7 吹き口や手穴の周りをカッターできれいにします。(穴を広げないように注意)

8 出来上がりです。吹き口に吹き込む角度はかなり微妙なので、がんばって練習して音が出るようにしてください。

このフルートはD管です。

穴を全部ふさぐと レ の音になります。
外側から一つずつふさぐ指を離すと、
ミ、ファ#、ソ、ラ、シ、ド#
が出ます。半分穴をふさぐと半音程度下がるので、演奏時にいろいろと調整することが出来ます。

息の吹き方によって、オクターブ上の音も出せるので、練習すると吹ける曲は増えていきますよ。

それでは、完成をお祈りします。
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2007年06月03日

グァルネリ型 モールドの製作

内型の外形ができたら、トレーシングペーパーにクランプ用の穴やコーナー、エンドブロックなどのパターンを描きこむ。

描きこむ時にトレーシングペーパーの裏から描くと、消して書き直したりするときに便利。

コーナーブロック取り付け用の溝は、ストラディバリなどと違い、カーブに沿って薄く作る。この作り方のほうが無駄な木が少なくなる(はず)

DSCN0430.JPG


外形に沿ってトレーシングペーパーを切り取る。今回はデザインナイフを使ったが、カッター台として、切り抜く予定の合板を使ったら、木目にナイフが取られて難しさがあった。きちんと、カッター台を使ったほうがいいかも?

DSCN0431.JPG


ベニア板にパターンを書き写す。
トレーシングペーパーは薄くて気を抜くとゆがむので、ピンで留めたところを確認しながら、丁寧に作業。パターンを書くのに使ったのは、ダイソーの4B鉛筆。

DSCN0432.JPG


パターンは半分だけなので、センターラインのところでひっくり返して、板の穴に合わせてピンで固定し、反対側も書き写す。

DSCN0433.JPG


糸鋸で外形を大まかに切り出す。
ノコギリは細かな作業が苦手なので、十分キリシロを考えてきる。
うっかり、斜めに切ったりすると、後で取り返しがつかないので、垂直もよく確認しよう。

DSCN0434.JPG


ドラムサンダーを使って、線に合わせて外形を加工する。
写真のドラムサンダーはラフ加工用のもので、これである程度追い込んだら、サンドペーパーをゴムに巻きつけたドラムサンダーに付け替えて、ラインに合わせて丁寧に外形を作っていく。

DSCN0435.JPG


外形ができたら、ノミや鑢を使って、モールドを仕上げる。
クランプ用の穴はホールソーを使う。ノミや鑢は合板に使うときに移動方向をよく考えて使わないと合板がはがれてきたりするので注意要。もっとも、バイオリンの場合、モールドに直接横板を膠付けするのではないので、多少の精度の甘さは許されるかも?

DSCN0438.JPG


この後は、モールドにコーナーブロックとエンドブロックなどを膠付けするので、ブロック用の木材を調達する必要がある。(買ってあったはずが、木目の方向が間違っていた 笑)
posted by い〜ぐる at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオリン製作資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月02日

バイオリン・モールドパターンの作成

バイオリン製作本には、ストラド型のパターンがついてくることが多いけれど、グァルネリ型はあまり見かけない。全然ないかというと、そうでもなく、たとえば、
Violin-Making, As It Was and Is
Edward Heron-Allen (2005/08/22)
Dover Pubns


などには、グァルネリ型のパターンが折り込まれている。

だが、グァルネリといえば、パガニーニのカノン砲と、バイオリン製作者にとっては、ジェノバ市に保管されているカノン砲は垂涎の的である。

カノン砲の詳細データは、アッカルドのCDのオマケのポスターに掲載されている。



Salvatore Accardo plays Paganini's Guarneri del Gesù 1742 / Arthur Benjamin、 他


まだ、実作業は先の話だが、モールドのパターンだけでも作っておこう。

まずは、ポスターの図から、外形をトレーシングペーパーに写し取る。
DSCN0422.JPG
一応、写真とあっているかを表のポスターで確認。
DSCN0423.JPG

グァルネリのカノン砲、左右非対称である。そこで、内型の基準はどちらか選んで作成する必要があるだろう。とりあえず、センターラインを引いて考える。
DSCN0424.JPG

裏返してあわせてみたりして、どうやら、右側は弓が当たったりするせいか、多少削れているような気がしたので、左側から型を取ることにする。

モールドは、外形から4mmほど内側に相当するので、外形線からコンパスで4mm内側に線を描く。
DSCN0425.JPG

一応、これで、モールドのパターンの基礎は完了。後は、ブロックの部分の作りこみと、クランプ用の穴の位置を決定すれば、モールド作成の準備は完了(のはず)
posted by い〜ぐる at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオリン製作資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月16日

アイリッシュフルートD管の設計

参考資料
の計算式を使い、水道管フルートの設計を行った。
DSCN0374.JPG

実測で、計算値の±3%程度に収まったので、加工精度や演奏技術からみて、このあたりで十分だろう。

歌口、指穴の位置、管長はそれぞれ左端から

歌口123456管長
32128147167193210231279

とした。
末端の仕上げをしていないので、管長は多少長めのままで、最終仕上げは後日。

追記:
・誤差の分析をして、指穴位置を修正(↑は修正前)
・歌口のアンダーカットをし、音を出やすくした

以上、2点の修正を持って、D管フルートは完成。
試作品は、色々な人たちに(人柱として ^^;)差し上げました。


アマゾンのリンクを見ていたら、

なんてのも見つかる。表紙を見る限り、バイオリンにも対応していそうで、これも面白そうだ・・
posted by い〜ぐる at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アイリッシュフルート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月09日

録音機材

調整や練習時、楽器の音を録音するために、いくつかの機材を利用中。比較的安価な機材ばかりだが、録音の音質については、ほぼ満足できるレベルにある。


USBオーディオインタフェース

キャノンケーブル

スタジオコンデンサマイク


録音ソフト(Sound It!)


posted by い〜ぐる at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 機材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月12日

手作りフルート

しばらく前に、水道管を使ったフルートの製作記事を見つけた。

この記事のフルートは、著作権を放棄していて、特許申請もしていないので、自由に試作してもかまわないとなっている。ということで、いくつか作ってみる。水道管やアルミパイプを用いて、それらしい形にはなったが、音を出すのは難しい。もっとも、私はフルートも吹いたことがないし、リコーダーも苦手で、所謂吹き系は全然だめなので、しかるべき人が吹いたら、きちんと音がでるような気がする。(事実、私でも100回に1回くらいは音らしきものに聞こえる場合があるのだ ^^;)
DSCN0322.JPG

ホームページに書かれているサイズはすべてインチ単位なので、日本では使いにくいため、図にミリメートル単位の数値を追記したのが、次の図である。



パイプのサイズは大体このあたりを参考に作成し、穴は少し小さめのものを開けてから音程を調べながら穴を広げるのが製作のコツである。

フルートの歌口の形状については、

新版 楽器の音響学

新版 楽器の音響学

  • 作者: 安藤 由典
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1996/02/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


が詳しい。
posted by い〜ぐる at 01:31| Comment(1) | TrackBack(0) | アイリッシュフルート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月30日

バイオリンの設計

ストラディバリやグァルネリなど、当時の製作者たちはアマティを基礎にしながらも、バイオリンの設計をしていたと思う。
ストラディバリの遺品の中には、コンパスで円弧を描いてバイオリンの形を作ったらしい形跡がある。

これに対して、今の製作本のほとんどは、何かのパターンのコピーから始まる。

まねることは悪いことではないけれど、設計を真似るのではなく、パターンを描き写すというのは、ちと気持ち悪い。

設計について書かれた本で入手が容易なのは、Strobelの本

Art & Method of the Violin Maker: Principles and Practices (Book Four of the Strobel Series for Violin Makers)

Art & Method of the Violin Maker: Principles and Practices (Book Four of the Strobel Series for Violin Makers)

  • 作者: Henry A. Strobel
  • 出版社/メーカー: Henry a Strobel
  • 発売日: 1992/12
  • メディア: ペーパーバック


である。この本に書かれている方法で、黄金率とコンパスを使ってきれいなバイオリンの型を作ることができる。(音響的な設計とは直接関係しないが、ストラディバリも音響的に設計したというよりは、ビジュアルな設計をしてから、音響的なチューニングは経験から行ったような気がするのだ)

でも、パターンを写すのがもっとも簡単なのは確かである(^^;)

前の記事にあるヘロン・アロイの本にはグァルネリのパターンが掲載されているが、ストラディバリのパターンは色々な製作本に出ているが、グァルネリのパターンは出ている本が少ない。

ストラディバリの方が有名だからというのは、当然のことだし、現存のバイオリンの本数からいっても当然かもしれない。

だが、バイオリンの現代奏法の基礎を作ったパガニーニが愛用したグァルネリ「カノン砲」は、製作を志すものは一度は試作してみたいものだ。(実は、カノン砲、板厚がかなり厚く、どうしてこんなに厚い板がなるのか不思議なのである。)

カノン砲のパターンは、The Stradのポスターから採寸できるが、ポスター単品での販売は終了している。

その代わり、アッカルドのカノン砲演奏のCDにおまけとして、カノン砲のレストアの記録本やカノン砲ポスターが付属している。このポスター、原寸大で、アーチやF字穴、スクロールの詳細数値データまで入っているので、これをもっていれば、カノン砲のコピーを作るのは比較的簡単である。



Salvatore Accardo plays Paganini's Guarneri del Gesù 1742

Salvatore Accardo plays Paganini's Guarneri del Gesù 1742

  • アーティスト: Arthur Benjamin, Johannes Brahms, Fryderyk Chopin, Claude Debussy, Edward Elgar, Manuel de Falla, Jeno Hubay, William Kroll, Nathan Milstein, Moritz Moszkowski
  • 出版社/メーカー: Dynamic
  • 発売日: 1995/11/21
  • メディア: CD


posted by い〜ぐる at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオリン製作資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月25日

よく参照するバイオリン製作資料


The Art of Violin Making

The Art of Violin Making

  • 作者: Chris Johnson, Roy Courtnall, Yehudi Menuhin
  • 出版社/メーカー: Robert Hale Ltd
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: ハードカバー






Violin Making: A Guide for the Amateur

Violin Making: A Guide for the Amateur

  • 作者: Bruce Ossman
  • 出版社/メーカー: Fox Chapel Pub
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: ペーパーバック



Violin Making: A Practical Guide

Violin Making: A Practical Guide

  • 作者: Juliet Barker
  • 出版社/メーカー: Crowood Pr
  • 発売日: 2001/11/30
  • メディア: ハードカバー



Violin Making: Step by Step

Violin Making: Step by Step

  • 作者: Henry A. Strobel
  • 出版社/メーカー: Henry a Strobel
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: ペーパーバック



Violin Repair Guide: Illustrated Step-by-Step Instructions for Bow Rehairing, Repair and Restoration of the Violin, Viola, Cello and String Bass

Violin Repair Guide: Illustrated Step-by-Step Instructions for Bow Rehairing, Repair and Restoration of the Violin, Viola, Cello and String Bass

  • 作者: Michael Atria
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2004/08/15
  • メディア: ペーパーバック




The Technique of Violin Making

The Technique of Violin Making

  • 作者: Harry S. Wake
  • 出版社/メーカー: Violin Video Assn
  • 発売日: 1973/06
  • メディア: リング製本




posted by い〜ぐる at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオリン製作資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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